黒鉛るつぼ
当社ではアルミニウムや銅などの非鉄金属を溶解したり、溶湯を保持する黒鉛質の坩堝(るつぼ)を製造しております。
当社の黒鉛るつぼは、お客様のご要望に応じて、耐酸化性能と耐摩耗性能を向上させて、製品の長寿命安定化を図っております。
また、冷間静水等方圧プレス機(Cold Isostatic Press, 略称 CIP)による成形も行っておりますので、お客様のご希望に沿った異形状品も製作が可能です。
カーボンボンド質 黒鉛るつぼ NC
NEW CENTURY
黒鉛るつぼNC(NEW CENTURY)は、冷間静水等方圧加工法(Cold Isostatic Pressing)による成形のため、以下の製品特性があります。
- 組織が均質のため、内部欠陥が無く品質の高安定化に優れています。
- 低気孔質、小気孔径のため、溶湯の耐食性、対フラックス性に優れています。
- 高強度のため衝撃およびスポーリングの対割れ性に優れています。
- 高熱伝導性のため溶解時間が短縮、省エネルギーを実現出来ます。
- 素材が均質、高密度のため釉薬との馴染みも良く対酸化性に優れています。
- 全体が均質のため誘導電気炉全般、特に高周波誘導炉での使用に優れています。
黒鉛るつぼの主成分と物理的性質
黒鉛るつぼの主成分と物理的性質の代表的数値は以下の通りです。
NC 円筒型 誘導炉用るつぼ
Cylindrical Type For Induction Furnaces
誘導電気炉(中・高周波)をご使用されるお客様向けにご提案致します。
NC 鉢型るつぼ Basin Type
For Aluminum Melting and Holding Furnaces
アルミニウム合金の溶解や保持を実施されるお客様向けにご提案致します。
NC 長型るつぼ Long Type
縦長のるつぼをお求めのお客様向けご提案致します。
NC 口付型るつぼ Tilting Type
溶湯の排出に適したチル口を備えた形状です。
カーボンボンド質 黒鉛るつぼ BB
BLACK BEAR
黒鉛るつぼBB(BLACK BEAR)は、ロクロ式プレス機による成形のため、以下の製品特性があります。
黒鉛るつぼの内側と外側で異なる組織が形成されることが特徴で、内側に形成される強い配向組織は加熱時の熱膨張に伴った組織の歪みに対し強い抵抗性と内面に生じる摩耗現象に対して高い性能を示します。
BB 円筒型 誘導炉用るつぼ
Cylindrical Type For Induction Furnaces
誘導電気炉(中・高周波)をご使用されるお客様向けにご提案致します。
黒鉛るつぼの用途と特徴
黒鉛るつぼは、非鉄金属の溶湯を製造する際や溶湯の保温、処理に用いられます。
黒鉛るつぼの材質は、お客様のご使用される金属や用途、そして炉設備を考慮しながら、当社の幅広い既存材質の中から選定ご推奨いたします。
黒鉛るつぼの製造工程
黒鉛るつぼの製造工程の概要は次の通りです。
- 鱗状黒鉛Cや炭化珪素Sicなどの主原料やその他の副原料を配合・混練します。
- 当社では3つの成形方法により、ご提供する製品に応じて加圧成形致します。
- 一次焼成により焼結加工、二次焼成により酸化防止釉薬の塗布固着加工を行います。
- 社内での検査を実施後、梱包のうえお客様へお届けいたします。
※黒鉛るつぼの製造工程は、陶磁器を製造する工程に酷似しております。陶磁器の製造工程は粘土などの原料を配合・混練した後、ロクロ等の設備で形を成形、一次焼成にて素焼き加工し、釉薬塗布や絵付け加工を行って二次焼成、その後検品などを行って皆様のお手元に届きます。
黒鉛るつぼの取り扱いについて(お客様へのお願い)
黒鉛るつぼの取り扱いについては、製品の移動、保管、またご使用においてはバーナーフレームの当たり位置、フラックスの過剰使用、溶解金属材料のるつぼへの挿入、そしてご使用後の金属残湯と酸化物の除去など各々のお取り扱いに十分ご注意頂けますようお願い申し上げます。
適正なお取り扱いを頂けることでご提供製品を長期間ご利用頂けるものと思っております。